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一戸建て住宅のプランニングの進め方 
【06月25日UP】

住まいは家族がくつろぐ場であり、子どもが大人へと育っていく大切な場所です。
どんな暮らし方が自分たち家族に合っているのか、又どんな暮らし方をしたいのか、改めて考えてみましょう。

Point1.家族の思いを確認しよう
家族会議を開き、家族全体としての事、家族それぞれの希望や考えている事(今の暮らしで不便を感じている事や、こうしたいという具体的な事)、などを書き出してみましょう。
設計者に家族の生の声が届いていると、家族の事をより具体的にイメージしながら設計を進めていく事が出来ます。
希望が全部採用になるという事ではなく、折り合いをつける上で参考になるという事です。)

私がご案内します!

1級建築士・福祉住環境コーディネイター・インテリアプランナー・増改築相談員
工藤 美智子

工藤建築設計室
札幌市豊平区月寒3条6丁目


Point2.敷地の使い方を考えよう
土地に対して、どの辺から入り、玄関をどの方向に、リビングの窓からどの方向を眺め、庭をどのあたりに作り、車をどこに置きたいのか。
※敷地の状況を確認しましょう。
  ・ 道路に面して縦長の土地か、横長の土地か。
・ 方位はどのようになっているのか。
・ 周囲の土地との地盤の高低差はどうなっているのか。
・ 周囲に家がある場合、どのような状・オで建っているのか。窓の事や車庫、玄関なども合わせて、 現地を見ておきましょう。
日当たり、風の通り、冬の除雪や堆雪場の確保など毎日そこで生活する事を考えるととても大切な事です。
▼考え方の参考図を紹介します。
参考図

Point3.家族のくつろぐ場を考えよう
居間(L)、食堂(D)、台所(K)をどのように配置するか。生活スタイルを動線を考えながら当てはめてみましょう。
子育て中の家庭であれば、見守りが出来るような配置にすると生活しやすいでしょう。 考え方の一例を紹介します。

@は、台所から居間までひと空間ですので、視線が通り、子どもの見守りがしやすい配置です。台所での孤立感もありません。流し台前のカウンターを高目にするなどの工夫で、手元の乱雑さを目隠しすると食事時や来客時でも安心です。配膳はカウンターを上手に利用して、回り込む動線の不自由さをカバーしましょう。

Aは、台所が独立して、食堂と居間が一体のタイプです。台所を見せたくない方や、台所を自分のお城として仕事をしたい方にはおすすめのタイプです。台所に立つと、家族とのコミュニケーションは取りづらいかもしれませんが、一緒に台所に立つ機会を造るなどでコミュニケーション不足を補いましょう。

Bは、台所と食堂が一体のタイプです。作った料理をすぐに配膳して食事が出来便利です。食事中の来客にも対応しやすいでしょう。居間と食堂のどちらが家族の団らんの場になるか、使い方次第です。居間でくつろぐ人と食卓の周りでおしゃべりする人に、いつも分かれてしまうという事がないように気を付けたいものです。

Cは、台所、食堂、居間すべて分かれているタイプです。 必要に応じて間仕切るぐらいの気持ちに作っておかないと、閉鎖的になってしまいます。天井から吊すタイプのスライド式間仕切り戸にすると、オープンにも使う事が出来るので、ABの使い方も出来ます。一直線に配置すれば@の使い方にもなるでしょう。

Point4.居間と各個室の関係を考えてみよう
同じ階に設けるのか、別の階に設けるのか。(建築面積がどのくらいとれるのか、何階建てにするのかによっても変わってきます。)
別の階に設ける場合は、居間との関係に気を配りましょう。 階段は子育て中であれば、やはり居間や食堂から上る事が出来るように配置しましょう。
又、吹き抜けを設けたり、2階のホールを広めにとって、子どもの遊びコーナーにしたり、家族の図書コーナーや音楽コーナーにしても楽しいでしょう。

Point5.個室(主寝室・子ども部屋)の広さを考えてみましょう
部屋に何を備えるか(何を持ち込むか)によって必要な広さは違ってきます。

  <主寝室>
・ 布団派なのか、ベッド派なのか
・ ダブルベットなのか、ツインベッドなのか
・ タンスを持ち込むのか、クローゼットを造りつけるのか
・ ウォークインクローゼットが必要か
・ 机や鏡台、セカンドリビングとしての椅子・テーブル など
  <子ども部屋>
机、ベット、タンスなどは、6帖程度あれば一通りのものは入りますが、子どもの年齢や部屋 の使い方も考えましょう。
まず広く造って兄弟で使い、個室が必要な年齢になったら仕切る方法や、勉強コーナーと寝室を 分けて設けるなど様々な工夫が考えられます。
プライバシーの無い家で育った世代が親になり家を建てた時代は、個室重視で小間切れの部屋がたくさんある家が主流でした。子どもが独立し夫婦2人になって、何とも使い勝手の悪い思いをしている方がたくさんいます。
これから家を建てる方は、是非将来の事も見越して、部屋数よりも広さを重視し、家族のコミュニケーションがスムーズにとれるような家、家族の成長とともに変化していけるような家を建てていただきたいと思います。

Point6.水廻り・設備機器について考えましょう 
カタログや住宅雑誌などでイメージをふくらませ、ショールームで実際の使い勝手を体験してみましょう。
又、炊飯器や電子レンジ、コーヒーメーカーなど普段使いの電化製品も使い勝手の良い位置におけるよう、スペースを考えておきましょう。

Point7.収納について考えましょう 
今の持ち物をすべて収納できるように収納計画を立てる方もいるでしょうが、今一度本当に必要なものばかりなのかも考える必要があると思います。何年も日の目を見ず押入に片づけてあったものが果たして新居で必要なものなのでしょうか。『思い出の品』『いつか使うかもしれない物』『捨てるにはもったいない物』など、物にも性格があります。又、家が新しくなれば今までの物が何となく合わなくなり買い換えたくなる物も出てきます。  
使い勝手の面から考えると、使う部屋に使う物を収納するのがもっとも良い方法です。  玄関収納でおすすめなのは、下駄箱のほかに濡れたコートや外遊びの道具、除雪用品などちょっとしたスペース(1帖弱でも)です。又そこに、長靴やブーツ、スキー靴などのしまえるような棚などがあると、重宝します。  
家族のくつろぎの場、個室、水廻り、収納などの考えがある程度まとまったら、土地情報、予算金額を示して設計者と打ち合わせをしましょう。まず、たたき台といわれるラフプランを立ててもらいます。依頼する設計者が決められない時には、同じ条件で何社かにプランを立ててもらいましょう。そのプランと打ち合わせの時の印象などで、依頼先を選びます。  
要望だけを図面にするとものすごい豪邸になってしまい、敷地にも、予算にも収まらなくなってしまいがちです。ここから先は何度も打ち合わせを重ね、基本設計図を作成してもらい、その図を基に概算の工事費を出してもらいます。このあたりから、設計に対する費用が発生する場合もありますので、設計費に関する条件も確認しておく事が大切です。  
設計者は、土地の制約や、法律上の制限なども調査してプランを立ててくるはずですが、念のため「きちんと調査してほしい」という事を伝えておきましょう。道路の扱いや地区計画の有無など普段聞き慣れない制約も家を建設する時には出てきます。  
設計者は、皆さんの家造りのお手伝いの立場ですので、主導権はあくまでも建て主である皆さんです。そして、家族の成長とともに家も変化させていってください。

※2007年6月29・(金)PM2:00〜(財)北海道建築指導センターの住宅講座(無料)にて、テーマ『生涯設計とすまい選び』のお話をします。
もしご興味があれば、足を運んでみてください。

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