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子育て期の住環境について 【11月30日UP】


モデルハウスや広告などで、目を引かれるのは部屋数や広さ、又外観や内装の美しさですね。今の手狭な(物であふれた)暮らしから、こんな家でおしゃれに暮らしたい、と夢は広がるばかりです。

でもちょっと待って、その家が建つ地域は、又はそのマンションが建っている地域は、どんなところなのかしら。
大人の視点からだけではなく、ここで子育てをしていく、子どもが育っていくんだという視点から周辺環境を考えてみましょう。


私がご案内します!

1級建築士・福祉住環境コーディネイター・インテリアプランナー・増改築相談員
工藤 美智子

工藤建築設計室
札幌市豊平区月寒3条6丁目



1.土地や建物を求めるときの、周辺環境のチェックポイント(立地条件と周囲の人間関係)
自分たちが家族として、「どのような暮らしがしたいのか」と言うことを中心に考えてみて下さい。そして、その地で子育てをしている自分をイメージして購入するかどうかを判断しましょう。 子育てと住まい

●生活の利便性
買物をする場、病院・図書館・スポーツ施設など、又学校や幼稚園・保育園などへの距離的条件と移動手段。

●近隣の人間関係
飲食店の多い地域、アパートが多い地域、一戸建てが多い地域など、街のにぎわいや自宅が面している道路の交通量。子どもの通学路や主な遊び場への経路の交通量など。

●住まいと目的地へのアプローチのしやすさ、安全性
大人だけで行動する視点ではなく、ベビーカーを押して歩く、又は、よちよち歩きの子どもを連れて歩くという視点で見て下さい。少し大きくなれば、子どもが一人で行き来するような場所も出てきます。(公園・学校・友達の家など)どこ行くにも車で移動して育った子どもは、小学校に上がったとき遠足でとてもつらい思いをするようです。(車での移動中心だとアプローチのしやすさは気にしないかもしれませんが…)


2.家を建てる(購入する)時のチェックポイント 子育てと住まい

●注文住宅を建てる場合
設計者とのコミュニケーションが大切です。自分たちが何を大切に思い、どういう暮らしがしたいのかを、家族でよく話し合うことが大切です。
全て「おまかせします。」という状況では、我が家ではなく、設計者の作品になってしまいます。又、家族の成長や変化にあわせて変更しやすい間取りになっているかどうかも大切なポイントです。 ※間取りの考え方のポイントは、次回のテーマ『(仮題)家族の暮らしを形にする』で詳しく取り上げます。

●建売住宅を購入する場合
自分たちの生活スタイルと、その間取りが大きくずれていないかどうかを見ることが大切です。部屋数ばかりではなく、家族が集う居間と階段・玄関の位置関係、水廻り(浴室、洗面脱衣室、便所)の広さやつながり、暖房・給湯機の操作性などもよく確認しましょう。

●マンションを購入する場合
間取り上のチェックは、建売住宅と同じような視点で見ると良いでしょう。マンションの場合は、何階部分の住居を購入するのかが、チェックポイントの一つになります。

自分の子どもの年齢を考えて、ベビーカーを押したり、その子を連れて自宅の玄関にたどり着くまでの状況も確認して下さい。EVのボタンに手が届かない為に、目の前の公園に遊びに行くにも親がついて歩かなければならない場合もあります。
又、高層階から外遊びへ連れ出すのは結構大変なので(準備など)、子どもの成長に大切な外遊びの機会が、低層階に住んでいる子どもよりも少なくなる傾向があります。
又子どもの遊ぶ声や、飛びはね・E足音など、上下の階への気遣いもマンション暮らしでは必要になります。窓や床の気密性能、遮音性能などがどのようななっているのかもチェックしておきたいところです。

●中古住宅を購入しリフォームする場合
希望のリフォームが可能な構造なのかどうか。そのままの状態で暮らす場合は、ローンが完済するまで大きく手を加える必要が出てこない造りになっているかを見ましょう。断熱材の状況や窓の気密性、屋根の状況、床下の状況など出来れば購入を決める前に設計図を見せてもらったり、床下や天井裏を覗いたりしてみましょう。
建物のことが解る人に相談してみるのも安心材料の一つになります。最近は良質な中古住宅の流通促進の動きも盛んになっていますので、関心のある方は北海道のHPなどもチェックしてみると良いでしょう。

いずれにしても、広い!きれい!すてき!というイメージだけで求めずに、その家で、その地域で「これから、家族の生活が始まる。」というイメージを持って決めて下さい。

次回は、2.外遊びの大切さについて掲載します。
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